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最高裁判所第三小法廷 昭和30年(あ)3608号 判決 1956年4月24日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人長崎祐三の上告趣意について。

所論は、法令違反の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(なお所論は、第一審判決判示第一の所為と第二の所為とは、刑法五四条の手段結果の関係にあるものであるから、これを併合罪とした原判決は法の解釈を誤った違法があるというが、同条にいう犯罪の手段とは、ある犯罪の性質上その手段として普通に用いられる行為をいうのであり、また犯罪の結果とは、ある犯罪より生ずる当然の結果を指すと解すべきであって、本件のように被告人が現実に犯した罪がたまたま手段結果の関係にあったというだけで所論のように前記法条にいう手段結果の関係があるとはいえない。所論は採用できない)。(昭和二四年(れ)第九三三号同年七月一二日第三小法廷判決、集三巻八号一二三七頁参照)。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小林俊三 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 本村善太郎 裁判官 垂水克己)

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